※このブログは【アメリカ研修ブログ】シリーズの一部です。アメリカ研修の概要についてはこちらの記事をご一読ください。


Grace Hopper Celebrationに参加した学部4年の大野歩実です。ここでは、GHCやその前後で学んだ、エンジニアとして必要なハードスキルやソフトスキルについてお話ししたいと思います。

GHCに参加した理由

これまで海外に行ったことがなく、GHCを通じてネットワークを広げたいという思いがありました。特に、日本以外のさまざまな会社の働き方や社員について知り、必要とされるスキルや会社の選び方について理解を深めたいと感じていました。

また、費用の面で迷っていた際、大学の先生に支援を打診したところ、特例として支援をいただけることになったのも参加の決め手になりました。

ボストンでの出会い

GHC前に行ったボストンでは、りこぴあ運営のAsumiさんの紹介で、Military関連の業界でFPGAを扱う方にお会いしました。その方から「CPU、GPU、FPGAのうち2つのスキルを持っていると、アメリカでの仕事に有利だ」というアドバイスをいただきました。また、日本ではFPGAなどの低レイヤエンジニアの職場はベンダーや小規模スタートアップに限られる印象がありましたが、アメリカにはFPGAエンジニアが活躍できる場がより多く存在することを知りました。

GHCでの体験

キャリアフェア(Expo)

キャリアフェアでは、会社の選び方や採用基準について多くの方にお話を伺いました。採用基準としては、プログラミング言語などの技術スタック以外にもpuzzle solvingやコミュニケーション能力、好奇心などが重要視されている企業が多かったです。直接レジュメを見てくださり、さまざまなプロジェクトやインターンに取り組んでいる点を評価してくださる企業もあって刺激になりました。

Braindate

Braindateとは、トピック公募型のミートアップで、「OOというトピックについて話したい人」「OOを知りたい人」「OOを教えてくれる人」といったテーマをアプリ上で募集し、応募することで人が集まる仕組みです。同じ興味を持つ人と気軽に交流できる魅力的な環境でした。

例えば、OSやLinuxカーネルに関心を持つ学生と話す機会があり、同じ分野に興味を持つ新たな知り合いができました。また、アメリカのMasterの様子(授業やプロジェクト)についても聞くことができ、さらにアメリカでも新卒の低レイヤの仕事が少なく、日本と似た状況であることを知りました。

また、Amazonの社員とCloudstrikeの事件(Windows搭載コンピューターで世界同時多発的に発生したブルースクリーンエラー)について議論する機会もありました。大規模で堅牢なシステムの構築に必要なAmazonの独自デプロイ手法について聞き、世界規模のサービスを展開する企業の技術的面白さに大きな憧れを感じました。

GHC全体を通しての体験

GHCには女性・ノンバイナリーの参加者が多く、安心して交流できる雰囲気がありました。日本では考えられない規模で多くの女性・ノンバイナリー技術者が集まり、Braindateなどの公式なネットワーク構築の仕組みや、キャリアフェアで気軽に話しやすい雰囲気、GHCアプリを通じて興味のある企業の方にも簡単にリーチできるなど、ネットワーキングに最適な環境でした。

特に、アメリカ企業で働く若い世代の方々のキャリアパスを知ることができ、新たな視点でキャリアの選択肢について考える良い機会になりました。日本では、アメリカで活躍されている方の話はアカデミアが中心で、業界で働く若い世代の具体的な姿については知る機会がほとんどありませんでした。そのため、アメリカでは専門に特化した人がその分野で就職するイメージがありましたが、実際は雇用側・求職側の規模が大きいこともあり、新卒の場合はソフトスキルやその場での出会いも仕事に大きく影響していることを学びました。

新卒の段階では、興味を持った分野を楽しんで学び、経験すること、さらにその背景や動機をしっかりと語れる力が大切だと感じました。今は博士課程に進む予定はありませんが、今後のライフステージで良い巡り合わせがあれば、海外で働いたり勉強したりする選択肢も視野に入れられるようになりました。

オープニングでのツーショット

オープニングでのツーショット

キャリアフェアの様子

キャリアフェアの様子