※このブログは【アメリカ研修ブログ】シリーズの一部です。アメリカ研修の概要についてはこちらの記事をご一読ください。
GHCパネルセッションの様子
GHC 24に参加した学部1年の林環希です。現在は土木環境工学、特に水分野の研究に関心があり、学部卒業後海外の大学院に進学したいと考えています。特にアカデミアや研究、海外進学に関心がある学生として、また同時に広く社会の物事に興味を持っている19歳として、GHCとこの旅での体験をシェアしたいと思います。
基本的にGHCはコンピュータサイエンス分野のエンジニア向けのイベントですが、関連分野の研究者を交えたトークやエクスポでの大学院ブースの設置などは行われています。大学院ブースはCS学部からの出店が多いですが、CSの学生ではないけど興味があるという風にいえば基本的な情報提供はしてくれます。また、メーリングリストに登録すると、GHC後(10月下旬ごろ)に大学から院進関連のセミナーなどの案内が届きます。
私は以前から院進に関する情報収集を行っていましたが、前述のトークや大学スタッフの方の話で特に再認識したのは以下のことです。
私の大学では生徒もですが研究者、教員の全体に占める女性の割合も非常に低いです。アカデミアとジェンダーについて、GHCのトークでアメリカでtenure track(期限付き任用期間中の実績を踏まえて大学教員に終身在職資格を与える制度)にいる女性研究者の多くがドロップアウトしてしまうことを知りました。また、企業に比べて指導教員と学生・若手研究者の関係性ややり取りが見えづらく、実際のところ何が起きているのか分からない部分もあるという話も伺いました。これまで女性あるいはノンバイナリーの研究者からキャリアについて話を聞く機会はなかったため、とても新鮮で学びになりました。どのような職業でも女性やジェンダーマイノリティが活躍しづらい構造はまだ残っていると思いますが、今後の自分のキャリアについて限られた数ではありつつも参考になる話を聞くことが出来ました。
GHCオープニングセッションの様子
実はGHC期間中に応募していたプログラムからリジェクトされた私ですが、高校時代からずっと憧れていた海外大学の人たちから直接話を聞いたり、GHCに参加し自分の将来に向かって力強く歩んでいる沢山の女性とノンバイナリーの人たちと出会ったり、非常に限られた範囲ではありますがアメリカ東海岸の人々の暮らしを垣間見たりする中で、頭の中で思い描いていたことが現実になって、今自分がしていることにもそれが繋がっていくだろう(と思いたい)ことにも「確かさ」を見いだせるようになり、その気づきが悔しさを忘れさせてくれました。また。アメリカの抱える問題、アカデミアの問題、日本の問題といったことにも気づきがあり、やはりどこにも完璧な場所はないしどうにかやっていくしかない、という言葉で表される勇気を得ました。歴史の違いから生まれる異なる価値観、特に世代間ダイナミクスに関する姿勢は終始興味深く、GHCのオーガナイザーが「私たちの前に道を切り開いた人々に感謝しよう。」「自分のためではなく先達と後からくる人たちのためにやらねばならない。」「ここに集まったのは過去に生きた人々と私たち、そして将来やってくる人たちだ。」と繰り返し述べていたことも印象に残りました。私もアカデミアにおける女性とノンバイナリーの立場を向上させた数多くのうちの一人として記憶される研究者になりたいです。
ハーバードに通う友人と